パンをつくる。

春になると新しいことを始めたいと心がおどります。
昨年夏にリニューアルオープンした広島アンデルセンでは、4月から新カリキュラムのカルチャースクールがはじまりました。広島アンデルセンの文化活動の取り組みは長く、「すてきな暮らし方をお客様と一緒に考えてみたい」との思いから、開店当初よりパンやお料理の講習会を開いたり、1978年の改装時にはパンを通じて暮らしの楽しみ方をお客様にお伝えする情報フロアを開設。形を変えながら今のカルチャースクールにつながっています。

特にベーキングスクールは、2002年改装時に初級から研究会までカリキュラム化し、多くの方と学んできました。そうしたお客様とともに歩んできたパン教室も再スタートです。私たちはおいしいパンを作る技術はもちろん、パンが生まれた背景や暮らしも大切に伝えていきたいと考えています。パンはもともとその土地に育つ麦を糧としていただくために、酵母の力を借りて誕生したもの。それを家族と少しずつ大切に分け合って食してきたのが原点です。今の日本では、世界中のパンが食べられるようになりましたが、その土地に根づく伝統のパンを大事にしている国はたくさんあります。そうしたいろんなパンのストーリーをこれからもお客様と一緒に学び、つないでいきたいと思います。


パンへの想いを記した広島アンデルセン ベーキングスクール初代校長 城田幸信の書。
高木俊介製パン学校の製パン実習室にも掲示してあります。