夏の昼間のひまわり畑はにぎやか。一面のひまわりが笑ったり歌ったり、楽しいおしゃべりをする。けれど一本だけお日様に背を向けて咲くひまわりが。明るすぎる日の光や仲間とのおしゃべりが苦手だった。夜、涙を流すひまわりに月が話しかける。白い月の光がひまわりを優しく照らす。毎夜、月と話をするひまわりは、やがて銀色になって輝く。
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お話づくりはどこかパンづくりにも似ていると思うのです。
厳選された材料を大切にねかせ、おいしくふくらます──。
暮らしの中で出会った感動を、手づくりで焼き上げ、多くの人と分かち合いたい。
そんな願いから生まれた「アンデルセンのメルヘン大賞」です。
アンデルセンのメルヘン大賞は、創業35周年の記念事業として1983年に創設した公募の童話大賞です。
当時、物は充足してきた一方で、心のゆとりがない時代において、どのようなことがお客様の暮らしを豊かにすることにつながるのか…。店名の由来になっているデンマークの童話作家ハンス・クリスチャン・アンデルセンが童話を通じて世界中の子どもたちに夢や希望の灯をともしたように、私たちもお客様と「童話」を通じて夢と希望を分かち合いたいと願い、創設に至りました。
選考委員長には第1回より、立原えりか先生に、また選考委員には毎回画風の異なるプロの画家・イラストレーターに務めていただき、「自分がこの童話の挿絵を描きたい」と思うものを受賞作品として選びます。そして想像を膨らませて描いた挿絵と受賞者の童話を「アンデルセンのメルヘン文庫」という1冊の絵本として刊行するという独自の取り組みで、創作童話の世界を豊かに広げています。
夏の昼間のひまわり畑はにぎやか。一面のひまわりが笑ったり歌ったり、楽しいおしゃべりをする。けれど一本だけお日様に背を向けて咲くひまわりが。明るすぎる日の光や仲間とのおしゃべりが苦手だった。夜、涙を流すひまわりに月が話しかける。白い月の光がひまわりを優しく照らす。毎夜、月と話をするひまわりは、やがて銀色になって輝く。
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風呂場に貼られる赤いタイル。職人が落として角が欠けて捨てられる。ゴミ箱から逃げ出したタイルは、炎天下の坂道を転がっていく。少女が拾って持ち帰るが、ゴミ箱へ捨てられる。その夜、ある考えが浮かんだ少女はタイルを拾い、町中に捨てられたタイルを集める。夏休み明け「ふぞろいのタイルが貼られた花瓶」を発表。タイルはひときわ赤く輝く。
丘の上にある一本のモミジ。秋にはススキの白い穂とモミジの紅葉が美しい。動物たちや人々に親しまれている。ある日、風力発電の風車建設の計画が持ち上がる。心配する動物たちにモミジは「落葉したら町中のゴミを枝につけて」と言う。相談した動物たちは枝には美しいリースを飾り、木の周りに町中のゴミを置く。それを見た人々は言葉を失う。
大判焼きの店を切り盛りするりほこさん。店じまいの頃、マフラーをして財布をぶら下げた猫が現れ、大判焼きを注文する。猫は亡きおじいさんに頼まれ、元気のないおばあさんのために買いにきたと話す。事情を知ったりほこさんは、大判焼きを焼いて渡す。すると次々にお客がきて、全部売り切れる。数日後、猫を連れたおばあさんが店にやってくる。
こたろうのおばあちゃんの金平糖は、優しい甘さですごくおいしい。こたろうは毎年、夏に山の上のおばあちゃん家に行く。おばあちゃんは金平糖ができるところを見せてくれると言う。たくさんの星が輝く夜、ふたりは傘を持って山頂へ向かう。すると金平糖の雨が降ってくる。おばあちゃんの金平糖は、星のかけらだった。空からは金平糖が降り続く。