壁に掛けられている鏡の私。殺風景な部屋を映す毎日に退屈している。ある日、強風にあおられた私は落ちて割れ、捨てられる。私のカケラのひとつをカラスがくわえて飛ぶ。広い野原に落とされた私は、青空と雲を映し出す。やがて夕焼けや月や星を映し、心地よい静けさに包まれていく。これからずっと、自由と幸せを映せることを鏡の私は願う。
●2025年4月2日 授賞式会場での朗読(9分45秒)はこちらから
●朗読:廣瀬桃子
壁に掛けられている鏡の私。殺風景な部屋を映す毎日に退屈している。ある日、強風にあおられた私は落ちて割れ、捨てられる。私のカケラのひとつをカラスがくわえて飛ぶ。広い野原に落とされた私は、青空と雲を映し出す。やがて夕焼けや月や星を映し、心地よい静けさに包まれていく。これからずっと、自由と幸せを映せることを鏡の私は願う。
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●朗読:廣瀬桃子
人里離れた山奥の村で仲よく暮らす鬼たち。日照りが続き、鬼たちは食べる物に困っていた。ある日、鬼の子のおに太郎はケガをしたカミナリ様を助ける。カミナリ様の代わりにおに太郎が雨を降らせることに。太鼓のたたき方を教わり、カミナリ様の相棒の雲に乗って畑や森に雨を降らせていく。途中で人間の子と出会い、人間の村にも雨を降らせる。
バイオリニストの夢に挫折した青年は、故郷の森でひとり最後の演奏をする。森から老人が現れ「5年後まだ音楽を愛していたら、ここに舞台と聴き手を用意して待っている」と言う。5年後の秋、森を訪れた青年を老人たちが待っていた。青年は心に沁みる音楽を奏でたい想いで演奏する。演奏後、老人たちの姿はなく、朽ちた倒木だけが残っていた。
冬眠のためのドングリを集めるシマリスとクマ。ススキ丘の柿の木の下で、秋に別れを告げるように一緒に叫ぶ。その夜、眠れないシマリスとクマは降り注ぐ星の光に導かれ、ススキ丘へ行く。光る柿の実とあたたかい落ち葉を見つけ、それぞれの巣穴へ持ち帰って冬眠する。春になり、目覚めたシマリスは芽が出たドングリを持ってクマの元へ行く。
雪山に住むサンタクロースとその手伝いをする妖精のトンテ達。クリスマスを前にトナカイがけがをし、足跡からオオカミの仕業とトンテ達は考える。疑われたオオカミ達は“真実の願いの葉っぱ”に思いをつづる。葉っぱはサンタの元に届き、トンテ達はオオカミ達の家へ行くことに。家の様子から「みんなと仲よくしたい」オオカミ達の願いを知る。