高木俊介製パン学校の研修生たちは、2か月間の店舗実習を終え、芸北100年農場に戻ってきました。農場にとって春は新たな挑戦が芽吹く季節です。厳しい冬を越え、小麦をはじめとする農作物が息を吹き返し、農場全体が活気を取り戻します。この時期、研修生たちは自然と向き合い、小麦の成長を間近で感じながら、農作業の基本を再確認します。
4月にも雪が降ることがあるため、ビニールハウスの設営は雪の心配が完全になくなってから行います。雪が解け、土が乾いてから畑を耕起し、土づくりをします。そして、野菜づくりが始まります。
秋に芽を出していた小麦は、12月に雪の下に埋もれ、それでも生き続けて雪解けを待ちます。今年は例年と比べて積雪量が非常に多く、雪解けに時間がかかることで、雪腐病(積雪下という低温・暗黒条件下で感染・蔓延し、融雪後に葉や茎を枯死させる病害)を受けないか心配しています。雪腐病予防の農薬もありますが、農薬は使用しない方針のため、自然に任せるしかありません。自然を相手にする農業の難しさを改めて実感しています。
研修生たちは農作業を通じて、パンづくりの技術だけでなく、自然と対峙する姿勢やパン職人としての心も育んでいます。自然を尊重しながら進める活動は、貴重な学びの時間です。
上の写真:3月下旬の農場の様子。