1970年、日本初の万国博覧会は“人類の進歩と調和”をテーマに開催されました。
その一角に、自然の保護と調和をテーマに「スカンジナビア館」は設けられ、交流の深いデンマークを応援するために、20名の社員を派遣。コペンハーゲンをはじめ、スカンジナビア諸国で、バイキング料理やペストリーを学んだ社員5名を含むメンバーが『スカンジナビア・ロイヤルバイキングレストラン』内で、本場からやってきたスタッフに交じって活躍しました。
スカンジナビア館の塔の壁にくりぬかれたプラスとマイナスの記号は、自然が人間社会にもたらすプラス面とマイナス面を対比しようという目印であり、象徴だということでした。
ロイヤルバイキングレストランの自慢料理「スモーガスボード」は、各種の海老料理、ニシンの酢漬け、サーモンの燻製、トナカイの肉、うなぎ、各種のサラミソーセージ、鮃のバター焼き、ハンバーグ、テンダーロインステーキ、ミートボール、各種のサラダ、デザートまでの80種類のバイキング料理を一堂に並べた華やかなものでした。原材料は、毎日スカンジナビア航空で空輸されました。
バイキング料理と言えば食べ放題の代名詞のようですが、本当は、北欧の勇敢な海の男たちが力いっぱい働いたあと、仕事の成果を祝って、海の幸、山の幸を何も彼も持ち寄って豪華な酒宴を開いたのがはじまりです。
ビールやワインとゆっくりと時間をかけて召し上がっていただくのが本当なのですが、私たち日本人があまりにもサッサと食べ終わるのに現地スタッフはびっくり。
大人2,200円、子ども1,100円という料金。新鮮な材料をたっぷり使った本場の味を充分味わえるというわけで、レストランは連日超満員。スカンジナビアからの支配人やシェフ、アンデルセンから応援のメンバーもうれしい悲鳴でした。
万博研修で実力と自信を身につけた20名は、1か月後の『青山アンデルセン』オープンの大きな力となりました。また、一緒に働いていた現地のシェフやウェイターの皆さんがこのオープンに全力を挙げて応援してくれたのです。国境を越えたこの交流は、アンデルセンがこれまでデンマークの文化や食品を紹介し続け、すてきな暮らしをと願ってきたことの証なのです。
「きょうは何の日?」
お客様と共に歩んだ、広島アンデルセンの様々なできごとを今、振り返り、繋いでいきます。