まもなく青麦の季節を迎えます。

5月に入り、芸北100年農場にも暖かい春の日差しがいっぱいに射しこむはずでしたが、今年は早々に広島も梅雨入り。日照不足が農作物の成長に影響しないか心配ではありますが、今のところ小麦は順調に成長しています。

ところで、小麦には秋播きと春播きの品種があることをご存じでしょうか?もともと、小麦は越年性の植物。秋に種をまき、発芽した小麦の芽は、数カ月の間じっと雪の下で冬を越し、雪解けとともに再び成長を始め、7月頃に収穫を迎える秋播き小麦が一般的です。一方、突然変異によって生まれた春播き小麦は、4月に種をまいて7月に収穫するという栽培スケジュール。短期間で成長するため、ストレスがかかり、秋播き小麦よりもタンパク含量が多くなると一般的には言われてます。現在、芸北100年農場では秋播き小麦と春播き小麦を栽培しており、それぞれの品種やその年の生育状況による小麦粉の品質を確認しながら、パンづくりに使用しています。

この時期、小麦栽培においては、背丈や葉色、総茎数など定期的な観察、計測を行っています。そんな中、5月初旬には秋播き小麦に「幼穂(ようすい)」が確認できました。これは、麦の穂の赤ちゃんのようなもので、小麦の茎の葉鞘を外側からはがしていくと茎の先端に確認することができます。幼穂を確認すると、出穂(しゅっすい)を促すために肥料をまき、さらに畑の50%の麦が出穂して10日ほどしたら良い実をつけさせるためにさらに肥料をまくなど、小麦の成長を丁寧に観察しながら、収穫に向けた動きも一段と忙しくなっていきます。

 

今年確認された、長さ2㎝ほどの小麦の幼穂

芸北100年農場では2頭のヤギ(ハルとモモ)が、雑草取りのお手伝いをしてくれています。