1968年7月1日 デンマークよりピーターセン氏 ペストリー指導に初来社

1959年、創業者 高木俊介はヨーロッパへの初めての視察で、衝撃的な出合いをします。本場デンマークのペストリーでした。そのおいしさと、もてなしてくれたデンマークの人の優しさに心を打たれた創業者は、すぐに日本に電報を打ちました。「直ちにペストリーをつくるべし!」

試行錯誤を繰り返し、1962年10月、遂にペストリー発売にこぎつけます。開発を担当した城田はデンマークの味を再現できたと自信を持ちました。

ところが、発売から6年後、その自信は崩れ去ります。
1968年7月、品質向上を目的に本場デンマークからペストリーの第一人者ウォルター・ヤン・ピーターセン(コペンハーゲンにある老舗ベーカリー トリアノン副工場長)を招いたのです。ピーターセン氏は、当社のペストリーを食べるなりこう言いました。「これはデニッシュペストリーではありません。」皆、大きなショックを受け、随分と違うことを理解し、それから、本物の技術を貪欲に学びました。

デンマークからやってきた身長約2mと大きなベーカーはときには愛嬌をふりまき、お客様の好評を集めました。このときの滞在は45日間でした。

ピーターセン氏の指導で1968年10月には本物のデニッシュペストリーが完成。以来、当社で技術顧問としてペストリーの技術指導及びデンマークフェアや青山アンデルセンを中心に店頭での実演などをしていただきました。その後も、品質確認の要請にお応えいただくなど、交流が続きました。

ピーターセン氏から受け継いだ伝統の技を守り続け、2008年、デンマークにアンデルセンを出店した際には「デンマークのペストリーよりもデンマークらしいペストリーだ」と言っていただけるようになりました。


「きょうは何の日?」
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